●英名:Chamomile
●和名:かみつれ
●学名:Chamaemelum nobile L.
●科名:キク科の一年生草本
●原産地:ヨーロッパ
●主産地:イギリス、ベルギー、フランス、ハンガリーなどヨーロッパ各地
カモミールは、ヨーロッパで古くから親しまれてきているハーブのひとつである。マーガレットを小さくしたような可憐な白い花を咲かせ、りんごに似た甘い芳香を漂わせる。この香りから、古代ギリシア人はカモミールを「大地のリンゴ」(カマイメロン)と名づけた。カモミールという英名もこれに由来している。
『草木図説』の記述によると、日本には江戸時代に伝来したと見られる。和名の「かみつれ」は、オランダ語の「カミッツレ」からきている。
カモミールにはジャーマンカモミールとローマカモミールの二種があり、日本でいうかみつれは、ジャーマンカモミールをさす。両者の違いは下記のとおりである。
■ジャーマンカモミール……一年草で草丈は30〜60cmほどになる。
■ローマカモミール……多年草で草丈は30cm前後で横に這う性質がある。
花の芳香性は二つともよく似ているが、ローマンカモミールは、葉にも芳香がある。一般的にはヨーロッパでは、どちらも同じように用いられている。
花の芳香をハーブティーにして楽しむほか、ハーブガーデンにもよく植え込まれている。とくにローマカモミールは葉がもつれあってマット状になり、葉を踏み込むと芳香が楽しめるため、現在も世界で広く芝生として使用されている。
ジャーマンカモミールとローマカモミールのどちらも、外側の白い花弁が開花するにつれ、外側に反転する咲き方をする。花の中央のこんもりとした黄色い部分を軽くもむと、リンゴに似た甘い香りがする。
■カモミールはハーブティーとして広く利用されている。ヨーロッパでハーブティーといえば、カモミールティーをさすほどである。
■ハーブティーには花頭のみ利用する。生でも乾燥した花でもよく、カップ1杯分の湯に対して花頭3〜4個が適当で、数分間浸出させたのち、こしてから飲む。フランスでは、消化を助ける目的で、油っこい食事の後にこのお茶を飲む人が多い。
■マンザニラという名のシエリー酒は、カモミールの芳香と花の苦味で風味をつけている。
■カモミールはヨーロッパで広く民間薬として親しまれてきた。リラックス効果を含む鎮静作用や消化促進作用がある。
■近年になってカモミールの薬効は科学的に実証されている。乾燥した花頭の芳香成分にはアズレンその他の成分が含まれ、これが抗炎症、防腐、鎮痙(けい)、駆風薬として、また胃病に対して芳香性苦味健胃薬として有効なことがわかっている。
春または秋に種をまく。耐寒性もあり、栽培は比較的簡単である。夏場は高温乾燥に注意する。